あなたのkugyoを埋葬する

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ラクーンハンティング

 今日は『世界制作の方法』を読んでた。
 この本は絶版本で、いま古本を買おうとすると1万円近くするらしい*1。図書館ってすばらしいですね。
 著者グッドマンは第1章で、世界を叙述するにはさまざまなやり方があるけど、それは科学的手法のみならず芸術作品だってその方法のひとつだよね、というように述べる。そしてその方法のことをグッドマンはヴァージョンと呼ぶ。科学においては座標系の取り方だってヴァージョンだし、ゴッホのヴィジョンもカナレットのヴィジョンもヴァージョンだ。そして、ヴァージョンどうしを相互に変換する、ガリレイ変換みたいなものはふつう存在しない、とグッドマンは説く。
 そして、我々はこのようなヴァージョンなしに世界を把握することができないし、ヴァージョンなしの中性的な世界というものは、

けれども前に注意したように、このようにして取り戻された世界は、種も順序も運動も静止もパターンもないような世界―味方するか敵対するかを問わず、そのために戦う価値のない世界なのである。
(p.31)

とされている。
 ところがこのうえでグッドマンは、正しいヴァージョンと間違ったヴァージョンとがあると言っている。これはたぶん1章の5節と6章以降で語られるのだが、まだ4章までしか見てないので、またこんど。

*1:「古本販売サイト一括検索」で調べた。古本販売サイト一括検索