あなたのkugyoを埋葬する

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"cut-cut-cut"

 ひきつづきICUさんからの作品で、"cut-cut-cut"ですね。A5で、ページが横に4段に分割されており(つまりカットが3回されており)、したがって上の段だけめくっていくなどというふつうでない読書体験ができるようになっている。


 の、だが、こういう手法は絵本ではよくあるもので、取り立てて新しいものとは言えない。また、どのようにめくっても話がつながる、という形を守るために、文章にやたらと指示語(それ、そこ)が多くなってしまっている。これは2001年の作品で、さきの"終末無き言詞の戦慄"は2006年の作品であるから、作者の進歩がわかる、と言えよう。


 途中のR14(右側からめくったときの14ページめ)では、R13にあった短文がにじんだ形で印刷されている。これはL14も同様だ。これは、せっかく紙の裏表という媒体を使っているのだから、印刷を鏡像反転させて、表側の文字がしみでてしまった、というようにしたらよかったのではないか。


 このサークルではほかにも媒体に特殊加工をほどこした作品を出していて、これでこそ即売会だな、と思った。いいよね。