いますぐ『文学界』4月号を買いに走れ!
ふらりと立ち寄った本屋で『群像』『すばる』『新潮』『文学界』(と、『ダヴィンチ』)を立ち読み。
『すばる』は茂木健一郎先生登場。とりあえず表紙だけ。『ダヴィンチ』はライトノベルは終わったのか特集。ライトノベル誌をはやく作れ、と思う(あるけど)。
『群像』の創作合評はおもしろい。いつも小谷さんが鋭くていいんだけど、今回は伊井さんと清水さんもいいこと言ってる。諏訪哲史『りすん』評、小谷さんの読み(創作ノート書いてるのは兄なんじゃないか)のおかげで、『りすん』の構造をめぐる議論がうまく回りだしていた。
ぼくらはもう、物語を素直に楽しめない……と言われるけれども、それどころかキャラがどうしたこうしたにすら乗れないひとだっているのだ。乗ったふりをして楽しむことさえできない、だってそれはキモいオタクみたいだから。
じゃあ何を読むか、それは精緻にくみ上げられた構造であって、登場人物もキャラクタも添え物にする言語の実験であるのだ。そこではもう、作中でなにが起こるかではなくて、作品がなにを起こすか(やらかすか)が主眼になっている(2ちゃんねるVIP板の安価行動を見よ!*1)。そんなところからやってきたポストモダン文学は、おそらくいままでのどんな文学よりも批評しやすい。あるいは、ポストモダン文学を読めるような批評だけが、技芸として成り立つようになっていくだろう、と言ってもいい。
で、今回は『群像』>>『新潮』かな(でも『新潮』ではわれらが都甲幸治先生が連載を持っています)、と思った矢先に、これですよ。『文学界』やりましたね、「【十一人大座談会】ニッポンの小説はどこへ行くのか」! 川上未映子あり、島田雅彦あり、諏訪哲史あり、田中弥生(和生じゃないよ)あり、筒井康隆あり、中原昌也あり、古井由吉あり、山崎ナオコーラあり、司会は高橋源一郎ですか。ファーッ!
では、皆さんはこれから『文学界』を買いに走ってください。立ち読みちゅうに財布を忘れたのを思い出して、いったん家に帰ってきたので、私もこれから買いに走ります。1部残しておいてください。
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/03/07
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ところで海猫沢めろんさんは『群像』にも『文学界』にも載せているね。いまはもう住所不定生活からは脱されたのであろうか。『群像』の「侃々諤々」も今回は海猫沢先生じゃないの? あずまんとか言ってるしきっと若い子だよ。