あなたのkugyoを埋葬する

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伊勢田先生のページがいつのまにか移転完了してた、4月からか?


価値論的思考実験とVirtural Reality


 以前、私は虚構キャラクタの権利について考えたが、なるほど、いま哲学ではこういう方面から入って考察がなされているのか。VRの問題は当時あまり触れなかったが、たしかにそっちから入ったほうが筋がよさそうだ。いや、あるいは、両者はまったく別の問題だろうか? 特に、道徳的な価値の源泉としての選好をすでに持っていることがはっきりしている人間とのかかわり、という面に注目すれば。
 「その子供のドリームワールド内での解剖学的特徴(脳内の構造等々)は現実世界における人間の解剖学的特徴と正確に一致するとしよう。」という記述など、ああ当時の私の考察の方向はそんなに間違っていなかったな、と勇気付けられる。
 ただ、いまにして思えば、やはりヤスパースを呼びだしたのは、いささか早計、というか、遅いぞ! という感じだな。“責任”についての文献調査に、手を抜いて新書(『「責任」はだれにあるのか (PHP新書)』)をまず見たのが、そもそもの間違いであったよ。


 新書といえば、『理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)』を立ち読みして、む、この形式と感じと、どこかで……と思ったら、『哲学ディベート 〈倫理〉を〈論理〉する (NHKブックス)』のひとだったか。なるほどね( )。