あなたのkugyoを埋葬する

主に読書内容の整理のためのブログです。Amazon.co.jpアソシエイト。

「Twitter本」その1

 シノハラユウキさんと夏目陽さんとが制作・編集の「Twitter本」に、pubkugyo名義で寄稿しました。第8回文学フリマのE-28「筑波批評社」またはE-39「Children」で、500円で販売されるそうです。
Twitter本告知と文学フリマへのご案内 - sakstyleの日記 - はてなグループ::ついったー部


 Twitter上の人物@shoukou5 について、その存在論的身分を問う議論です。@at_akadaさん(http://www.at-akada.org/)と論争をしていますが、この論争は現在も継続中で、近日中に互いのブログに、掲載部分の続き・加筆部分が登場する手筈になっています。
 虚構キャラクタに対する倫理的責任というテーマでは、以前にも少し記事を書いたことがありますが、今回はそれとはまた別のアプローチをとっているつもりです。
 議論の内容を読んで、なにか哲学的意見をお持ちになりましたら、ブログその他でお寄せいただけると、論争もさらに盛り上がると思います。
 あと、現在、http://twitter.com/shoukou5に接続すると、だれかがアカウントを利用しているのがわかりますが、これはじつは@at_akadaさんと私とが、考察の対象になっているできごとのあと、こっそり共同で取得したものです。(複数アカウントの利用って禁止されてなかったよね?)


 自分で同人本を作ることには、ブログでものを書くことと比べて特に利点を見出せません。公開したいならウェブに載せたほうが、送り手も受け手も楽でしょう。ただ、逆に言えば、同人本の形にして障壁を作ることは、受け手に何らかの安心感をもたらすかもしれません。
 たとえば、ブログ記事に対する言及をブログ記事で行う場合には、互いのやりとりが簡単に行えてしまうため、コストのかかっていない言及がどんどん増えてしまうことになりますね(はてブブコメの応酬とかね)。ブログの記事を見ていて、もっと熟慮推敲しろよ、と思うことは、皆さんおありかと思います。いっぽう、同人本に対してブログで言及する場合には、言及先から反応がかえってくることはまれだし、まれだからこそかえってきた反応にはそれなりのコストがかけられていることを見込めるので、言及する側は(悪い意味でなく)安全な位置にとどまっていられることになりましょう。*1
 今回の我々のように、誌面での論争をウェブで継続する、というような形式の場合、同人本が受け手に与える上述のバリアは機能しないかもしれませんが、そこは、我々がコストをかけて論争を行うことで取り返すべきところかと思います。


 ところで誌面には、Twitterらしくtinyurlを使って、互いのブログの短縮版アドレスが書いてあるんだけど、お互いちっとも短くなってません。ここは萌えポイントです。

*1:他人に与えるものとして、「安全に痛い」より「痛い」のほうが道徳的に悪い、というのは自明なことのように思えます。