必殺図書館返し
少し前に、こういう掌編小説を書いた。
「インコしか飼っていないのに愛犬家の集いに参加するはめになり、鳥を連れていくわけにもいかずリードだけ買っていく。哀れんだ犬が自分にそれをつなぐよう申し出てくれ、その飼い主と2人で犬を散歩させる。心地よい連帯感の中でインコに水をやり忘れているのを思い出す」
一見して、まず最後の部分がよくない、と思う。「忘れているのを思い出す」というのは、ほとんど冗語(馬から落馬)の域だ。「やり忘れている」で止めるか、「やり忘れているのが気にかかる」にしたほうがよかろう。
それから、「鳥を連れていくわけにもいかず」の部分はよけい、読者をもうちょっと信頼してもよい。字数制限があるならなおのこと、もっと別なことをも語れたはずのところなのだから。
と、こういう、言葉の端々に神経が行き届いているどうかの確認って、高校・中学入試の「国語」の問題を解くときと、たいして変わらないのよね。
最近借りた本のリスト。
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- 作者: 前田司郎
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アウグスティヌスの根本問題 (1977年) (中世哲学研究〈第1〉)
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- 発売日: 1977/03
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