あなたのkugyoを埋葬する

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必殺図書館返し

 少し前に、こういう掌編小説を書いた。

「インコしか飼っていないのに愛犬家の集いに参加するはめになり、鳥を連れていくわけにもいかずリードだけ買っていく。哀れんだ犬が自分にそれをつなぐよう申し出てくれ、その飼い主と2人で犬を散歩させる。心地よい連帯感の中でインコに水をやり忘れているのを思い出す」

 一見して、まず最後の部分がよくない、と思う。「忘れているのを思い出す」というのは、ほとんど冗語(馬から落馬)の域だ。「やり忘れている」で止めるか、「やり忘れているのが気にかかる」にしたほうがよかろう。
 それから、「鳥を連れていくわけにもいかず」の部分はよけい、読者をもうちょっと信頼してもよい。字数制限があるならなおのこと、もっと別なことをも語れたはずのところなのだから。


 と、こういう、言葉の端々に神経が行き届いているどうかの確認って、高校・中学入試の「国語」の問題を解くときと、たいして変わらないのよね。


 最近借りた本のリスト。

地球人類最後の事件 (講談社ノベルス)

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誰かが手を、握っているような気がしてならない

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アウシュヴィッツの残りのもの―アルシーヴと証人

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私・今・そして神 開闢の哲学 (講談社現代新書)

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旅をする裸の眼

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