あなたのkugyoを埋葬する

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相談しましょう、オン・クリティシズム!

 最近買った本。

On Criticism (Thinking in Action)

On Criticism (Thinking in Action)


 Noel Carrollは著作出しすぎで、専門筋のひとりからは「あんまり信用できない」旨のコメントをいただいているが、それにしても、Philosophy of Criticismはこの世にとってほんとうにだいじ。作品の価値をevaluateすることが批評の目的であるというのをどうやって擁護するのか楽しみ。
 以前ひとと議論して気づいたのだけど、作品の価値は売り上げ金額や部数や視聴率やといった基準では測れないと思う。特に、受容に時間がかかる作品については(映像作品、文芸作品)。なぜなら、そうした作品を買う(受容する)かどうかを決めるのは、つまり部数の多寡に影響するのは、その作品じたいの内容ではなく、その作品についてなされた宣伝、もっと言えば、その作品の制作者が以前に制作した作品の内容のほうであるから*1。しかし我々は、作品の価値というとき、その作品についてなされた宣伝の価値をではなくて、その作品じたいの価値を知りたいのである。
 では、「その作品じたい」とはなんなのか? ほら、こうして、われわれは作品の存在論に導かれるでしょう。

*1:瞬間最大視聴率なんて、なんの役に立つんだろうね? その瞬間のその映像が視聴に値するかどうかは、その瞬間よりも前の映像がどうであったかによって判定されるのであって、瞬間最大視聴率の高い時点の映像のできは、瞬間最大視聴率にはまったく影響しない。