あなたのkugyoを埋葬する

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「チェンジ!」......but we can't.

 2ちゃんねるまとめサイトでは皆さんよく新人グラビアアイドルの写真をはって「チェンジ」「これはノーチェンジ」などと書き込みます,これが醜く見える理由はいくつかあるけど,その1つはチェンジ(相手を交代)させることができる立場ってのはそれだけ立場として強いもので,自分たちがそっち側にいることを前提にしてるから,だと思います.金払って契約関係に立てば,契約の範囲内で交代を要求することにはさしあたり問題はない(不正な契約であれば話はもちろん違ってきますが)し,むしろ交代を要求してはいけないとしたら,その契約には何か問題があるのかもしれない.
 同様に,科学者コミュニティとか個々の科学者とか政治家コミュニティとか個々の政治家とか政治システムとかが,もし現在の日本で政治を進めるのに不釣り合いなほど信用されていないとしたら,その外にいるひとたちは「チェンジ!」を言ってもいいはずで,民主主義って名のもとに採用されたのは,意思決定についてのそういう契約なんじゃない?
 でもそれが言えない,あるいは「チェンジ!」してもどうせ似たようなのしか出てこないからムダ,というのなら,これは科学者コミュニティとか……の問題ではなく,「チェンジ!」を含んだ契約そのものの問題のはず.つまりここで私たちが何かを要求するとしたら,その契約をどう変えるか,ということであって,科学者コミュニティとか……にそのありかたを変えるよう要求してもそれは詮ないこと.
 「チェンジ!」って言えるのは強い立場からだけだって言ったけど,私たちはたいていそれほど強い立場にいないから,なかなか「チェンジ!」って言えない.子にとって親を「チェンジ!」するのは難しいし,友人を「チェンジ!」できるひとだって多くはないだろう.衣食住だって「チェンジ!」できるひとはじつは限られてる.でもそんななかでも,政治システムについて「チェンジ!」を言ってよい権利(自身の立場をもっとも規定的なところで決定するものを「チェンジ!」してよいかどうかって権利)ってのはどんなに立場が弱いひとにも与えられてしかるべきだと思うんすよね.それが実現してないのが問題なのであって,科学者コミュニティとか……に根本的な問題があるわけではないと思う.