あなたのkugyoを埋葬する

主に読書内容の整理のためのブログです。Amazon.co.jpアソシエイト。

オ37 さつき屋,お仕事インタビュー本(¥100)

第21回文学フリマ感想 Advent Calendar 2015 - Adventar,はじめました.この記事で3日め.
私が第21回文学フリマ東京で買った本のリストはこちらです: 購入全誌感想(23評/23冊) - kugyoを埋葬する

オ37 さつき屋,お仕事インタビュー本(¥100)

さつき屋 [第二十一回文学フリマ東京・ノンフィクション|インタビュー] - 文学フリマWebカタログ+エントリー
「お仕事インタビュー本」さつき屋@第二十一回文学フリマ東京 - 文学フリマWebカタログ+エントリー

 男性看護師に業界裏話をインタヴューしたペーパ.職業ものっていうのはいつの時代のどんな職のでもおもしろい.
 看護師業界は女性社会だということが強調されていて,そこに対するアンビヴァレントな思いがうかがえるインタヴューだった.力仕事ができる,雰囲気がぎすぎすしない(これは異物が入ってくるからというだけで,男性だからってわけではないと思うが)などの理由で男性看護師は歓迎されるそうだが数が少ない,それを男性看護師から見ると,女性看護師とは仕事がしづらく,男性看護師にもっと増えてほしい,という感想になるようだ.どこの部署が花形であるとかいった情報もおもしろい.(ただ,私は労働における花形ってのがよくわからないんだよね.メディアに露出したり顧客に直接ほめられたり人望集めてチームの舵取りしたりするのが花形か?)
 賃金に関しては,このインタヴュイーは労働の対価としては安定度もあってわりがいいと思っているらしい.ただ,インタヴュー中では触れられていないが,看護師業界の現在の待遇って,過去に女性看護師が労働争議に踏み切ったおかげなんだよね.それまではもっとひどかったという.だから,まあ仕事のうえで日々の摩擦はあると思うのだが(自分の機嫌を満足させることを仕事のスムーズな遂行より優先させるひとは男女問わず一定数いて,そういうひととスムーズに仕事を遂行するのは——当然だが——たいへんだ),「女子はつるむ民族だから」というその背景に,そういう争議のための“つるみ”もあったんだな,とときおり想像してもよいかもしれない.

 完売しちゃったそうなので,一期一会……次回も楽しみ.