雑誌「フィルカル」に寄稿しました
9月末に発売になった「フィルカル」という雑誌の最新号に,「文化的盗用」と呼ばれる現象(「文化的盗用」と呼ばれる現象をめぐる争い)について,哲学者はどんなことを考えているのか,紹介した論考を寄稿しました.雑誌とのご縁じたいは,友人の紹介によるものです.
この雑誌は,若手の哲学者が,(ポップ)カルチャーと最近の哲学研究とを関連づけて論じたいろんな文章を毎号掲載してます.この手の批評誌はネット・同人界隈でも最近また元気がいいんですが,こちらはなんと哲学者の査読が入るようになっていて,その点で学術的な質が上がっています! ほかの号もおすすめです.
ふだん「文化的盗用」の話をひとにしたことないはずなので,なんで急に? と思われるかもしれませんが,私のもくろみではこの議論は,私がずっと気にしている“フェミニズムの哲学”にアプローチする上で重要です.今回の1万5000字ていどの短い報告は,その途中経過と言えるものになっています.
イントロの「既存の学に基づいて話をしてくれェ……ウウウ……」という恨みのこもった箇所以外はほぼ書評的になっており,書評対象( Cultural Appropriation and the Arts (New Directions in Aesthetics) )が少し前(2008年)の本なのですでに出ている批判がいくつかありまして,それらを書評しながらいっしょに記載しようとした結果,論運びが歪んでいるところもあるようです.これは,紹介者としての私の反省点です.
フィルカル Vol. 3, No. 2 ―分析哲学と文化をつなぐ―
- 作者: 野上志学,渡辺一暁,長門裕介,高橋志行,吉川孝,谷川嘉浩,竹内未生,中井杏奈,青田麻未,しゅんぎくオカピ,八重樫徹,飯塚純
- 出版社/メーカー: 株式会社ミュー
- 発売日: 2018/09/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ぜんたいの目次など詳細はこちらでも紹介があります.
『フィルカル』Vol.3 No.2に掲載いただきました - 仄聞社ジャーナル