カメンライドゥ、ドネラン!
最近買った本。
特に、
- 松坂陽一, "指示と意図", 前掲書pp.15-42.
がいま考えていることに影響してくれた。本音を言えば、もっと先まで考えていただきたかったのだが、それは参考文献を見て自分でやるか、あるいは待つしかないだろう。
話者の意図に基づく指示の枠組みに基づいて、固有名の指示に関する問題を議論したい、したいがスペースがないのでまたね、という終わりかたである。そこをやっていただきたいのだ!
議論されていたのは、以下のような例、つまり:
俺の車をヘコませた男を連れてこい。
(ただし、じっさいにマフィアのボスのキャデラックをヘコませたのは女であった)
というような状況である。話者の伝達意図が、話者自身の知覚のみによっては決定できないこともある、と示しているわけだ。こういう話には当然ドネランを召喚したくなるわけだが、よく考えると、上記の例は指示的用法とも帰属的用法とも言いがたいよね、ということになる。それは松坂の分析のとおりで、私などはまだまだ吟味が足りていないな、と思わされた。