あなたのkugyoを埋葬する

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スーパ・休憩・タイム(「遡」「ミステリの絵本 vol.7」について)

 まだ紹介終わってないけど出かけなきゃ!

  • 無限遠点:「ミステリの絵本」(\100)
  • 遡:「遡」(いただきもの) 

 「遡」(青号?)は、昏林果奈「Gelincik」が気に入った。題材としてはみんなが大好きなので失敗しやすい部類のものが選ばれているのに、異国の描写を(ステロタイプだとしても)着実に重ねていくおかげで、全体として踏みとどまってます。表紙デザインもきれい。同人本って自分のブースで売ることができるんで、極端な話、表紙に文字なんか入れなくてもいいんですよね。
 「ミステリの絵本 vol.7」はピタジマテツエイ「305号室死屍累々」を、ペレック『人生使用法』とか綾辻行人『四〇九号室の患者』とか(あと筒井康隆の、マンションの1室ずつがマンガのコマみたいになってる短編、あれなんだっけ? →Twitter上で質問したところ「上下左右」でした、それそれ!)を思い浮かべながら読んだんですが、やべえ、最後にどんでん返しがちゃんとある! 形式上どんでん返しを作ることは簡単なんですが、それでもかなり驚いた。ミステリ読みとしてちょっと言えば、ふつう、男性名にも女性名にも使える名前が出てきた時点で(たとえば「勝美」)、性別誤認を疑ってかかるのは当然のマナーでして、だからそのような名前を出せば読者はちゃんと登場人物の名前をいちいち気にしながら読んでくれるはずなんですよね。だからこそ、それとは直接関係ないこのどんでん返しが、ちゃんと機能している。