"GD# Vol.27"
GameDeepの"GD# Vol.27"、ブースはB-60でB5版。表紙の写真は、こういう感じのモノクロ処理で入れられるのはかっこいいよなあ。GameDeepの公式サイトは「GD# : GD# Ununiform Mindings」。
ところで、このサークルは美少女ゲームについての評論をしっかりやっているサークル(「theoria」)と共同らしい。もっとここのブースをじっくり見ておけばよかったです。
コンテンツは以下。
- then-d「反物語化と意図せざるものへの接続―沢渡真琴」
- C.F.「ミステリという小説」
- 中田吉法「背景という前景 : 秒速5センチメートルを観て」
「反物語化と意図せざるものへの接続―沢渡真琴」は、なんの前置きもなく『Kanon』のキャラについて触れていて面食らったけれども、調べたらこれは先述のtheoriaの出したTactics/Keyゲーム評論集『永遠の現在』からの再録なんですね。『Kanon』など一連の作品を家族という観点からながめた、ちゃんとした評論。ギャルゲーで父性が描けるのかどうか、父性なしのものを"家族"と呼べるのか、そもそも父性を描くという行為は可能なのか、などなど、いろいろ考えてみたくなる、よい評論でした。
「背景という前景:秒速5センチメートルを観て」について、前景って言葉を考えたやつにはだれかが文句を言ってやるべきだと思うんだけど、どう? いっしょに行かない? まあそれはいい。『秒速5センチメートル』は背景美術こそが主役の映画ではないか、という感想文。