キ22 読書サロン,*読書サロン活動報告2014*(¥200)
第19回文学フリマ感想 Advent Calendar 2014 - Adventar,はじめました.この記事で5日め.
私が文学フリマで買った本のリストはこちらです: 購入全誌感想(29評/30購入) - kugyoを埋葬する
キ22 読書サロン,読書サロン活動報告2014(¥200)
読書サロン [第十九回文学フリマ・評論|文芸批評] - 文学フリマWebカタログ+エントリー
「セクシャル・マイノリティと呼ばれる登場人物たちが活躍する小説を、応援する会」である「読書サロン」という団体による書評冊子.2013年の2月からコンスタントに開催されているようで,21本の1ページ書評(+22本ぶんの「次に読む本」式読書案内)がつまったおトクな本になっている.
サロンじたいにも異性愛を必ずしも志向しない参加者が多いようで,どのページをとっても,性愛についての異性愛中心主義(性愛のなかで異性愛が中心でありほかの性愛は周辺的なものであるという立場)とか関係についての異性愛中心主義(人間関係のなかで異性愛が中心でありほかの関係は周辺的なものであるという立場)とかについて無条件には受け入れないという立場が見てとれ,正直言って心地よかった.
とりあげられる小説は,男性ゲイ作家による男性ゲイ小説や,女性作家によるレズビアン小説からはじまって,耽美小説・少女小説,トランスジェンダやインタセックスについての記述がある小説も入ってくる.どの書評をどなたが書かれたのかはよくわからない(たぶん2人か3人ぐらいが中心になって書いている)のだけど,どれも無批判に楽しまれているわけではなくて,作品に見られる現実に即さない記述に対する指摘などもあり,いっぽうで巻末コラムにはそういう指摘のしかた自体について悩むところがあるという吐露もあり,批評意識に貫かれているところも楽しい.こういう読書会,うらやましいっす.
いちばん気に入ったのはp. 18の,江國香織,きらきらひかる の書評.「3人とも嫌いになれる」などの皮肉が好みなのです.次の号はまた2年後になるのかもしれませんが,また訪れたいブースが増えました.