C30 もの喰うひと,ものの本(人間版)(¥300)
第21回文学フリマ感想 Advent Calendar 2015 - Adventar,はじめました.この記事で3日め.
私が第21回文学フリマ東京で買った本のリストはこちらです: 購入全誌感想(23評/23冊) - kugyoを埋葬する
C30 もの喰うひと,ものの本(人間版)(¥300)
もの喰うひと [第二十一回文学フリマ東京・小説|エンタメ・大衆小説] - 文学フリマWebカタログ+エントリー
「ものの本」もの喰うひと@第二十一回文学フリマ東京 - 文学フリマWebカタログ+エントリー
こびとを共通の設定に使った,ちょっとブラックな物語4編を収録.
「芳樹さん」を介護している語り手,「私たち二人の生活」に小人がやってくる,“コビトヲ愛シタ男”がおもしろい.タイトルのわりに「芳樹さん」が小人とどう接したのかはほとんど描かれていないのだが,それは同じ物語を小人を焦点人物として描いた“小人日記”としてまとまっている.
作者あとがきにもあったが,小さいものはなんで愛でたくなるのか,これはこれだけで小説になるテーマなので,そういう作品も読んでみたい.小人の場合,ただ小さいというだけでなく,ミニチュアとかパロディとかいった要素が入ってくるのだが,この本では後者にフォーカスをあてていたように思う.
会場では,同内容の作品を豆本として頒布しており,そちらを通常版と呼んで,冊子サイズのものを「人間版」としていた.小人に定位した頒布形式というわけだ!