フェミニスト形而上学について
なんでフェミニズム形而上学じゃないのか? という疑問はあとで解消できると期待して,SEPのFeminist Metaphysics (Stanford Encyclopedia of Philosophy)(Sally Haslanger,2007)の項を訳しはじめました.
冒頭だけ,どんなことが書いてあったのか見てみましょう.続きの訳の共有はGoogle グループでやることにします.みなさんどんどんメンバになってください.
[Metaphysics...]
[However...]
章立て
- 1. 問題
- 2. 社会的構築
- 2.1 ideaまたはconceptの構築
- 2.2 対象の構築
- 2.3 構築と構成と
- 3. 関係
- 4. 二元論
- 5. 結論
1. 問題
[Speaking...]
[To begin...]
- 今世紀のフェミニズム形而上学概観をはじめるにあたって,ボーヴォワールの古典『第二の性』(1949)に触れておくのがいいだろう.
- ボーヴォワールの有名な2つの主張は,深い形而上学的含意を持つように見える:
- 「ひとは女に生まれるのではない.女になるのだ.」
- こちらはジェンダが社会的に子地区されているという見解の標語として使われてきた
- 「男は<主体>であり、<絶対者>である。つまり女は<他者>なのだ」
- こちらは男性性に対立するものとして女性性の内容が構築されているという見解
- 男性性は主体とか自己とかと見なされてもいる
- 「ひとは女に生まれるのではない.女になるのだ.」
- ここで,フェミニスト形而上学に特徴的な,3つの絡み合った命題が明らかになる:
- (i) ジェンダ(やその他のカテゴリー)の社会的構築
- (ii) 自己(やその他のカテゴリー)の関係的本性
- (iii) 二元論的に考えるという危険