2008-04-28から1日間の記事一覧
結論を再掲すれば、虚構キャラクタに対しての罪は形而上的な罪であった。そしてその罪への自覚が、われわれをいっそう虚構を愛するようにし、またいっそう現実を愛するようにもするのだ。 ただし、上記の結論に反駁する方法はいくつかある。 第3項で見たよう…
ブログ上ではめんどくさいので省略するが、じっさいのレジュメでは、第 2節と第3節とで以下のような議論が展開された。 ボストロム「“文明滅亡”と“知的好奇心”を生け贄に……儀式魔法“シミュレーション・アーギュメント”ッ!! “汎虚構主義”を儀式召・喚ッ!」…
虚構キャラクタに対する罪 第1節 虚構キャラクタに責任を負うべきか 第7項 われわれはこの議論を受け入れる必要があるか こうしてわれわれは、虚構キャラクタへの責任、という概念を分析し、それ以前にはなかった洞察にたどりついた。しかし、じつはまだ1つ…
虚構キャラクタに対する罪 第1節 虚構キャラクタに責任を負うべきか 第6項 われわれはどうすればいいのか では、こうして足場を固めたところで、予告したとおり(6)「どうすれば虚構キャラクタに対する責任を果たすことができるのだろうか?」を考えてみよう…
虚構キャラクタに対する罪 第1節 虚構キャラクタに責任を負うべきか 第5項 われわれは勝手すぎるのか われわれは、この勉強会が始まる前には、虚構キャラクタに権利を認めてこなかった。そこでここまでの議論では、なんとかして虚構キャラクタに権利を認めて…
虚構キャラクタに対する罪 第1節 虚構キャラクタに責任を負うべきか 第4項 権利なんてあるのだろうか ところで、いくら見殺しにしたとはいえ、相手は虚構世界のなかにいるのである。われわれはそんな相手に責任を感じる必要があるのだろうか? つまり(4)「…
虚構キャラクタに対する罪 第1節 虚構キャラクタに責任を負うべきか 第3項 われわれになにができるのか こういうわけで、次には(3)「虚構世界で起きることに、われわれは影響を及ぼせるのか?」という問いを考えよう。 まず、虚構世界でのできごととは、それ…
虚構キャラクタに対する罪 第1節 虚構キャラクタに責任を負うべきか 第2項 われわれは見殺しにしたのか ところで、われわれが責任を負ったり、罪の意識を感じたりするのは、必ずしも自分の行動を直接的原因とすることがらに対してだけではない。当然なすべき…
虚構キャラクタに対する罪 第1節 虚構キャラクタに責任を負うべきか 第1項 われわれが殺したのか フィクションのなかに登場するキャラクタに対して、現実世界のわれわれが責任を負うべきだろうか、という問題について、いくつかの論点を考えてみる。まずは(…
「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」 *1に関連した、いわゆる児ポ法問題が、最近話題を呼んでいる。 この法律の目的は、次のように示されている。 第一条 この法律は、児童に対する性的搾取及び性的虐待が児童の権利を…
「虚構キャラクタに対する罪」 最近、ブロゴスフィアで虚構キャラクタに対する罪の問題が俎上にあがっていたので、みんなが虚構キャラクタに対して罪の意識を感じるように、分析哲学っぽく議論してみた。2008年4月27日に行った勉強会のレジュメを、当時の指…